2009年5月21日木曜日

桜を愛でることができるなんて・・・

 お花見シーズンもこの東京では一段落して、ほとんど葉桜になってしまっている桜の木に、もはや道行く人々もあまり関心をもたない時期となりました。元来お酒やタバコを嗜まない私も、今年はたった一回こっきりではありますが、3月28日の土曜日の夕方、豊島区営グラウンドで行われた「さくら祭り」に参加してきました。
この「さくら祭り」も、昭和50年代の半ば頃に地元町会の人たちが集まって、毎年3月の最終土曜日に実施したのがきっかけと聞いております。その「さくら祭り」ですが、今回の私が参加しますグループの集合時刻は、午後7時と聞いていましたので、その10分前位に行ってみたところ、既にブルーシートがあちこちに敷かれ、その中心部前方には、特設ステージが設営されていました。当日は結構な肌寒さでしたし、また桜の花それ自体が2分咲き程度でしたので、「こりゃきっと参加者もまばらだな」と思っていましたが……、いやいやどうして、なぜかくも桜は日本人を引き付けてしまうのかと思い知らされるような参加者でした。しかも、ブルーシートの前には、何やら白っぽいプラカードが立ててあり、何か書かれています。「何が書かれているのだろう」と思って覗き込んでみると、参加町会と各種団体の名前が書かれていました。第2地区区政連絡会から4町会が、第12地区区政連絡会から2町会がそれぞれ参加し、陣取っていました。また、会場が区営グラウンドですから、豊島区体育協会のプラカードもあり、体協役員の皆さんの顔ぶれも目立ちました。
 いざ宴会に入って、私はぶるぶると震えながら、冷たいビールと日本酒、そしてお弁当を頂戴したわけですが、こういう状況ではいくらアルコールを飲んでも体が温まらないことが分かりましたし、その一方で、ほろ酔い気分で会場内をふらついている人がうらやましくも感じちゃいました。特に、しこたま飲んだ後「あの後は覚えちゃいね~」という人がいるかと思いますが、私からすれば、そういう人は、人生の達人に見えてしまいます。
会場内ステージではカラオケやコーラスで盛り上がっています。こっちは寒いぃ~。でも、お呼ばれした形での参加でしたので、むやみに帰れない経緯も抱えています。つくづく夜桜見物の場合は、時間・場所等から、しっかりと出・欠を決めなければ…、そう感じた夜でした。

今年、東京での桜の開花の具合は、特に学校などの入学シーズンに、どんぴしゃと言えるでしょう。新年度を、桜の花を愛でながら気持ちよくスタートを切った方は、さぞかし多かったかと思います。
新年度の豊島区の公立小・中学校の入学式は、4月の6・7日に行われましたが、ずれの日も桜満開の中で執り行うことができました。これも、私の記憶では珍しい部類に入る現象だと感じていますし、私自身、自分の小・中の入学式は雨の日だったと記憶しているので、うらやましい思いを抱きながら、母校の高松小・千川中の体育館内にて、音楽に合わせ手拍子をとりながら入場してくる新入生を迎えました。
この公立小・中の入学式の前になりますが、4月の2・3日と、母校の立教大学の入学式が、池袋西口にある東京芸術劇場を会場として執り行われました。大学の入学式ですから、保護者の方の数も当然増えますし、立教はこのところ学部を新設した経緯もありますので、会場の東京芸術劇場にも一度では入りきれず、各学部に分けたことは勿論、期間も2日間にわたって実施しました。このときの池袋西口公園の桜が、ぱっと見た目ですが、8分咲きといったところで、しっかりと咲き誇っている様が、その日のあっぱれな快晴とも相まってとても美しく見えました。
両日とも、豊島区やとしま未来文化財団をはじめ、地元の各種団体さん(NPO法人ゼファー池袋まちづくり、池袋西口商店街連合会、そして豊島立教会)が、新入生は勿論その保護者の皆さんに対し、さまざまな歓待を展開しました。
私は両日とも、池袋西口公園内にて毎年恒例の新入生歓迎無料ソフトドリンクのサービスをしていました。今回も、各学部の入学式が終わって、会場から出てくる新入生の波に洗われるが如くでしたが、ふと気がつくと、公園内の円形の噴水の方から、人の列が風船につながっている紐のように伸びてきていることに気がつきました。なんだろうと思って近づいてみますと、噴水の前に、白字で「立教大学『祝』入学おめでとうございます」と書かれた、紫色(立教カラー)の立て看板があり、噴水とその後方にある桜の大木を背景として記念撮影をしているのでした。「これは確かに素晴らしい思い出の一コマが撮れるな」と感じたと同時に、先端の方では既に母校の先輩が並んでいる人達の気持ちを察して、回転をよくしようと、カメラマンをしてあげていました。「本橋君も手伝いなさい!!」。先輩に促され、私も早速カメラマン(下手なんです、私)ということになりました。先輩とそれぞれ手分けして、次の撮影を待っている方のカメラマン役を順繰りに務めるという形が、誰彼と言われることなく自然と出来上がりました。
ファインダー越し(デジタルカメラ越し?)に視界に入ってくる新入生の何と初々しいことか。また、ご自身のお子さんの大学入学を祝う親御さん達の何と晴れがましい表情と雰囲気か。当日の快晴、空に向かって溢れ出る噴水の音、そして背景にそびえる桜。その場を包みこむすべてのものが、私たち新入生歓迎部隊のメンバー一同をも包み込んで、楽しくも晴れやかな気持ちにしてくれました。初日の4月2日は所用のため途中で抜けてしまったのですが、翌日もまた同様に記念撮影の列ができだろうと推測し、混雑を見込んで、私の事務所に出入りしているの若者を3人を、急遽カメラマン役として動員しました。一人は学習院大学3年生、もう二人は同じ中央大学2年生といったメンバーでしたが、三人とも一様に、自分達の頃の入学式について感想を漏らしていました。先ほどの初々しさもさることながら、こうしてOB・OGがテントを張ってまでして無料ドリンクを配ってくれるなんてなかった旨の感想を漏らしていました。
さて、新入生達が夢と希望を持って入学した後、真っ先に話題になる事柄は、なんと言っても東京6大学野球ではないでしょうか。4月の11・12日が春季リーグ第1週ですが、わが母校立教大学野球部は慶応大学と対戦、初戦は勝ったものの、第二戦を落とし、一勝一敗で迎えた第三戦の13日、慶応の投手に散発4安打に抑えられてしまい、結局12対0で大負けを喫してしまいました。
12対0かぁ~。今年は桜を十分愛でることができたし~。こんな桜の花の散り際のような負けっぷりも……、今年は許せちゃう…かも。