既に新しい学校が決まって入学される皆さんはおめでとうございます。また、これから学校受験という皆さんにおかれては、どうかベストを尽くして頑張ってください。
さて、この学校についてですが、各人におかれては、様々な選択の理由があった事でしょう。それは、公立だから学費が低廉だとか、自宅からの通学距離が近いからとかは勿論、その学校の「評判」なども気になったはずですよね。
「評判」と言いますと、ある意味つかみどころのないところがありますが、ありていに言えば、この学校は偏差値が高くて、卒業生も良い大学・企業に進学・就職しているとか、この学校はスポーツに強くて、プロスポーツ・オリンピック選手を数多く輩出しているとか等々の積み重なったものとでもいえるでしょうか…。勿論、先生や生徒の醸し出す雰囲気や、学校それ自体の校風によって自然と創られているものも含まれるでしょう。
では、その評判は、どのようにして保たれるのでしょうか?
この問題はまたたく間にマスコミを通じて全国に広がり、大阪の様々な中・高等学校の運動部顧問が集められ、元プロ野球選手の桑田真澄さんの講演会の中で体罰について指導されるなど、最早日本中の話題をさらう問題となりました。
「自殺する以前は体罰のことは分からなかった、そのようなシグナルに気付けなかった」と桜宮高校の校長は生徒の死を悼み、悔やんではいましたが、学校側は自殺後間もなく男子生徒の遺族に対して「バスケットボール部の新人戦に出場してもいいか」などと尋ねたそうです。
今月5日には(これも賛否両論ありそうですが)活動停止中に体罰が確認され、更に常態化していたことが判明した男子バレーボール部、サッカー部、そしてバスケットボール部は顧問を交代し、体罰が確認されなかった他の部に対しても体罰をしないという誓約書を提出させることを前提に運動部の活動を再開させたそうです。
自分の学校で、私の母校で、体罰があった…。そのせいで勝てる試合にも出場出来ず負けてしまう…。そのせいで職場の中で笑いのネタにされている…。
知性・敬愛・活力を校訓としている大阪市立桜宮高校はサッカー場やテニスコートのある公園が近くにあり大変自然に恵まれた環境に位置しています。水泳の中野悟選手や女子柔道の立野千代里選手など、日本代表の選手をオリンピックにたくさん輩出しており、彼らのオリンピック出場記念碑も校内にあるそうです。部活も充実しており、文化系の他、野球やサッカーをはじめボートや剣道など14の運動部があるとともに、校内には、トレーニング施設や選手の動きを分析できるハイスピードカメラを設置した施設などがあります。
また、普通科、体育科、スポーツ健康科学科の他に普通科自立支援コースという、知的障害者を受け入れる枠を別に用意してあり、知的障害のある生徒たちが、社会的自立を図れるよう一人一人の教育的ニーズに応えた指導をしているのも特徴です。
問題の起きたバスケットボール部は、強豪ぞろいの校内部活動の中でも別格扱いの強さだったそうで、その成績も凄いものがあります。全部はここに書ききれませんが、例えば、平成18年の全国高校総体(インターハイ)大阪大会5位、平成20年と平成22年の全国高校総体大阪府予選会で優勝という成績があります。
今まで築き上げてきた栄光・実績・「評判」が一気に崩れてしまう…。