2014年4月2日水曜日

フェイスブック雑感≪平成25年1月≫


 新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
 「実家の近くにある○○に初日の出を見に行って、その足で□□神宮に初詣にいきました。□□神宮は写真のように、とても混雑していました。初日の出はとてもきれいでした。綺麗な初日の出に元気をもらい、今年も精一杯頑張りますので皆様よろしくお願いいたします。」―いいね!クリック……。

 これはSNS(Social Networking Service:ソーシャルネットワーキングサービス)を利用している方ならば、一度は目にしたり、あるいは、これと似たようなことを書き込んだり、そのような近況報告にいいねボタンを押したりしたことがあるのではないでしょうか。

 SNSはコンピュータネットワークが発達するとともに、1990年代後半に誕生し、2000年代から急速にその種類と利用者数が増加し、発展してきました。

SNSとは、インターネット上で社会的なネットワークを構築して、人と人とのつながりを促進するコミュニティ型の会員制サービス、あるいはそのようなサービスを提供するウェブサイトのことだそうです。ざっくりと言いますと、ネット上で人間同士の付き合いを助けるサービスとでも言うのでしょうか。チャットが出来たり、自分の好きなプロフィールを作成したり、メッセージを送りあったり、現実の世界よりも、より簡単に他人とつながることができ、同じ趣味趣向を持つ人同士でコミュニティを作ったり、参加できたりもします。

 そのSNSにはどんなものがあるのでしょうか。

かつて日本最多会員数を誇ったmixi(ミクシィ)(そういえば最近ニュースで会員数が減っているという話を耳にしましたが…)や、モバイルに特化したMobage(モバゲー)GREE(グリー)、世界最多会員数をほこり、創設者の半生が映画にもなったFacebook(フェイスブック)、それに次ぐ規模のMySpace(マイスペース)、LinkedIn(リンクトイン)など…さまざまなサービスが日々生まれています(書いている私も細かな違いは判りませんがね…)。

技術は日々進歩し、流行は風のように吹いてはやむ…。しかしながら、その享受する人間自体の能力までは大昔から変わっていない…。SNSによってインターネット上で新しい社会をつくることができたとしても、そこに完全適用して生活する、つまりすべての機能を理解して、新しく生まれた道具を使いこなして人とつながるのは難しいですよね…。私自身、仕事柄、多くの人々に自分の立場や主張を自分の言葉で伝えるのが使命であるわけですから、訴えかける対象は、現実空間に生活する人々に限らず、SNSなどを利用する人々も含まれるのが当然とも言うことが出来ます。しかしながら、日々進歩する技術や流行の1つであるSNSすべてを更新することができずに、かなり放置ぎみになっているのが現状です(継続的に取り組まなければ…、と分かってはいるんですけど…)

 このSNSフェイスブックについて感じたことですが、フェイスブックに登録したばかりの頃は、友達検索で懐かしの旧友を見つけて感動を覚えたり、心当たりのない人から友達申請がきて妙に疑心暗鬼になったり、好意的でない人から友達申請がきて承認するかどうか悩んだりしたことがありました。また、使い慣れてからは、楽しそうな写真で満ち溢れた友人の近況報告をみて羨ましく思ったり、見たくない情報を見て不愉快な気持ちになったりもしましたっけ…。また、学生さんにとっては、就活で内定獲得のために必要不可欠なツールになったことにより社会的な必要性を感じさせられたり等など…。

いずれにしてもフェイスブックなどのSNSを利用された方におかれましては、さまざまな経験をされたことかと思います。そのような経験を経てふと思ったのが、フェイスブックをはじめとするSNSを使いこなしているつもりが、実はSNSに翻弄されているところが多々あるなということですね(特に時間的に…)。どのようにネット上で人と人のつながりを維持して、SNSと付き合っていけばよいのか。はたして理想的な人と人とのつながりといったものは、ここにあるのか、無いのか…。
 

 いまのところ、SNSはなぜ人を惹きつけるのでしょうか。
 それはSNS特有の性格に理由があるのではないかなと思ったりもします。
 では、その性格とは「匿名性」でしょうか。
 

 匿名であれば自分の望むような発言ができ、好きな自分を作ることができますが、フェイスブックは個人情報の公開設定もできますからある程度の匿名性の要素もあると思いますが、基本実名登録ですので匿名性は当てはまらないかと思われます。

さて、フェイスブックアプリとして「シャチクのミカタ」というサービスがあります。会社の上司のフェイスブックをチェックするのは時間がなくて不経済だ、でも「いいね!」を押さないと印象が悪くなってしまう、という方のための、自動で「いいね!」を押すサービスです。このアイデアは一時期話題になりました(なんだか非常にシュールですね。なんと上司のネガティブな内容の近況報告にはいいね!を押さないように設定できるようです)。

これをみると、どうも人間には、おしなべて評価されたいという承認欲求があるように思われます。承認欲求が満たされること…。そのことがSNSの性格としてあるのではないかと思われます。同時に、そこからSNSにわずらわしさを感じていることも読み取ることが出来そうです。

 SNSを通じて自分の言いたいこと言って「いいね!」をもらう。もらえるとなんとなくうれしい。でもそのような人と人のつながりにわずらわしさを感じてしまう時がある。
 

 理想的なSNS上での人と人との付き合い方ってあるのでしょうか。

少なくとも適切な距離感を意識して付き合うことは大事でしょう。実生活では、人と人の適切な距離感は、場所などの物理的な隔たりや年齢など時間的な隔たり、職業・性別など身分的隔たりなどと、人の声や身振り、表情などを総合的に読み取ることで実感していくもので、人は成長するにつれてそれを学んでいきます。自分と家族、自分と同僚・仲間、自分と上司。これらの間では、とるべき距離感もおのずと違ってきますし、距離感がわかればとるべき行動、言動も変わってくるでしょう。適切な距離感に基づく態度、行動をとることができれば、それが信頼につながり、深い付き合い、生涯にわたる友達も作ることができるでしょう。

フェイスブックなどのSNSは、写真や文字を中心にしたコミュニケーション手段で、相手の顔や息遣い、声の調子を読み取ることが難しく、さらに何年も会っていない人やそれほど親しくない人とも簡単に「友達」になることができてしまいます。ここでは、どうやら適切な距離感を読み取りにくいように思われますね…。相手を選ばず友達申請したり、他人が見ているにも関わらず無配慮な発言や投稿したりすることの原因もそこにあるのではないでしょうか…。実生活での人と人の距離感を忘れないこと。これがSNS上でもよい人間関係を構築する為のポイントかもしれませんね…。