2014年3月31日月曜日

ダイエットと食事≪平成24年1月≫

 年が明けて、いよいよ新年会シーズンが到来します。まずもって飲みすぎや食べ過ぎで体調を崩さないよう、どうぞ皆さんご注意ください。
 

 さて、この時期、最も気になる事はと言えば・・・・・・。
 無承認の「やせ薬」を販売目的で保管していたとして、健康食品販売会社の社長と役員が逮捕された事件がありました。
 なんでも無承認薬を「筋肉は増強。脂肪を効率よく燃焼させる」「内臓の脂肪をドロドロに溶かす」などと上手い事を言って販売していたそうで、逮捕後も2人は「医薬品として効能・効果をうたうと本当に良く売れた」などと嘯いているとの事です。平成2211月から239月までの間だけで、少なくとも約3570万円をこの無承認薬で売り上げていたそうで、まったくもって許せない犯罪と言うことができます。

しかし、その一方で、これぞまさしくダイエットの正道!!・・・・・・、と私自身が思う動きが最近ありました。それは、健康機器大手のタニタが、健康メニュー・ヘルシーランチで知られる同社の社員食堂と同じメニュー・同じ味を提供する「丸の内タニタ食堂」を、東京・丸の内の「丸の内国際ビルディング」の地下一階にオープンしたことです。
なんでもベストセラーになったレシピ本の愛読者の皆さんから「実際に食べてみたい」との要望が殺到したので、まずは健康管理に悩む人が多いオフィス街で展開することにしたとか・・・・・・。店内はセルフサービス。白米のよそい過ぎを防止するため茶碗(ちゃわん)の内側に100グラム、150グラムをそれぞれ示す線を引いた気のききよう。また各テーブルには同社製の小型計量器とタイマーを設置。1食約20分間を目安として提示し、利用者が食事にかける時間を自由に計れるようにしているという、まさに至れり尽くせり・・・。新聞報道によれば大盛況のスタートとなったとか・・・。
また、開店前の記念式典でタニタの谷田千里社長は「この食堂から少しでも日本を健康に、元気にしたい」と抱負を述べたそうです。ここでの営業それ自体は、平日の午前11時から午後3時までで、メニューは日替わり定食(800円)と週替わり定食(900円)の2種類だけ。ただし、いずれも500キロカロリー前後で、塩分も見事に約3グラム前後に抑え、野菜を150-250グラム使用するそうです。健康ランチを早速味わった利用客の感想も「食事に20~30分かけるといった正しい食べ方を知った」とか、「味も満足でまた来たい」と、積極支持派となっています。
今後のタニタの戦略としては、外食を手がける「きちり」と業務提携して食堂を運営し、丸の内のような都心をはじめ、企業の社員食堂や大学の学生向け食堂への展開もしていくそうで、その為にも年間20店舗を目安にして出店を進めるようです。池袋にはいつ頃出店してくるのか楽しみです。
 タニタはこれ以外にも、20代から30代の女性をターゲットとした携帯型ダイエットサポート機器「カロリズムダイエット」と「カロリズムレディ」を発売していますね。いままさに拡大傾向にある携帯型美容機器市場を意識してか、デザインやカラーに凝ったのが特徴と言われています。
 このカロリズムダイエット、カロリズムレディは、私自身は持ってはいませんが、使っている人の感想を聞くと、「着ている服にマグネットで装着したり、チェーンをつけて首から下げることで1日の消費エネルギーなどが本体のモニターに表示される優れもの」とか「目標の減量数値を入力すると必要な消費カロリーや摂取カロリーが示されるから便利」とか「達成度が高い傾向にあれば消費カロリーの目標設定を自動的に高めるなどの調整機能も働く」など、ここでも支持派の声が強いです。

 こういった流れとは別に、「コーヒー浣腸」なる美容ダイエットが問題になったこともありましたっけ・・・・・・。「体がきれいになる」「体がスリムになる」などと言葉巧みに持ちかけて、便秘などで悩んでいた女性患者らに、医師でないにもかかわらず浣腸器具で肛門からコーヒーを注入したとして、千葉県警に元診療所経営者ら3人が、医師法違反で逮捕された事件がありました。
 この“コーヒー浣腸”なるものは、欧米のセレブも採用していたとされる美容法らしいですが、科学的に効果が実証されていない上、失敗すれば体を傷つける恐れがあるともっぱらの評判でした。
 新聞報道によれば「代替医学総合学院」と看板に書かれた診療所内には、器具や薬品らしき液体が入った無数の小瓶が雑然と並んでいたそうで、ここで実際に行っていたコーヒー浣腸というものを説明しますと・・・・・・。
 まずは、成分調整されたコーヒーを使用し、それを10倍に薄めた上で、体に負担がかからないよう体温に近い36度に温める。
 そして浣腸器具に薄めたコーヒーを入れ、器具の先端を潤滑油を使って肛門から内部に310センチ挿入する。男性には約1リットル、女性には約500ミリリットルを流し込む、というものだそうです。そうすると腸内の便やガスの排出を促す効果があるとか…。
 さて、コーヒー浣腸は「コーヒーエネマ」という名称で美容法として採用している人も多く、某国王室関係者ら世界中の多くのセレブも採用していたとされます。
 日本国内で先駆けてコーヒーエネマを紹介している某健康食品販売会社によると、コーヒーエネマは約70年前にドイツで開発され、自力で出せない老廃物をきれいに排出し、美容や免疫力の上昇に効果があるとのこと。使用するコーヒーにはミネラルや酵素など天然成分が含まれており、普通に飲んでも効果があるといい、全国の老若男女から多くの注文を受けていると言います。
 ただ、この事件で取材を受けた同社曰く・・・・・・。
 「コーヒーは飲んで摂取することを推奨している。器具も売ってはいるが、どのように摂取するかは客自身の責任で任せている」と説明。さらに「そもそもコーヒーエネマは自分でやるもの。他人にやってもらうものではない」と語っています。
 浣腸のほかに研究所で行われていた治療法には医師免許が必要なものはなく、浣腸以外の違法行為も確認されていないようで、しかも健康被害などの報告もないと言います。
 しかし、そもそも素人による浣腸という考えられない行為をやっているうえ、それをビジネスにするなんてとんでもない話です。
 ダイエットしたい方々や患者さん達も、手法や治療法、そして診療所を選ぶに当たっては、しっかりとした定見が必要でしょうし、そもそもダイエットは、食事でするのがよろしいのでは・・・・・・?