2014年3月31日月曜日

ロンドン・オリンピック・パラリンピック≪平成24年8月≫

 謹んで残暑お見舞いを申し上げます

平成247.27日から812日まで、4年に1度のスポーツの祭典オリンピックが、イギリスはロンドンにて開催されました。ロンドンでは過去に2回オリンピックが開催されており、史上初の3回目のオリンピック開催となったとのこと。加えて、前回の中国の北京にて開催されたオリンピックと比較してみますと、何よりも環境・エコに配慮し、また、会場からの選手村への距離や、交通面でのアクセスなど、コンパクトな設営と運営などの点が対照的なオリンピックだったといえそうです。
もちろん、開会式をデジタル映像で誤魔化すようなこともなかったでしょうし、いわゆる口パクもなかったみたいですね(失礼)

 
 さて、実際の競技の方はどうだったでしょうか。皆さんのご関心は……?

私の場合は、何と言っても毎回金メダルを量産してくれる「柔道」を注目してみていましたっけ。
 その柔道ですが、大会の序盤では男女ともに『一本』を狙う柔道でなく『ポイント』を狙う、いわゆる『JYUDO』に苦しんでいたようです。

女子の方は、意外にも金メダル最有力候補と言われていた48キロ級の福見友子選手、52キロ級中村美里選手が早々と姿を消してしまい、これまで軽量級で稼いでいたメダルを逃してしまいましたが、その一方で、女の子であるにもかかわらず「オオカミ」とか「野獣」、または「アサシン(暗殺者)」などとあだ名をつけられている57キロ級の松本薫選手が金メダル第一号を獲得してくれました。
その夜は、私もライブ中継を見ていましたが、その鬼気迫る表情と余念のない準備、そして相手選手を追い詰めたり、場外へ逃れるのを阻止すべく柔道着を引っ張ったりする試合内容に感動したのを覚えていますし、メダル獲得後のインタビューで、「金メダルを獲得した今、まず真っ先に何がしたいですか」との質問に対して、「パフェが食べたいです」との回答の中に、今時のうら若き女性の片鱗を感じたりもしました(私も何故かホッとしましたっけね…)
その後は、63キロ級の上野順恵選手と78キロ超級の杉本美香選手が、それぞれ銅1個、銀1個を獲得してくれるなど、押し並べて女子柔道の方は善戦してくれたと思います。

問題は男子の方です。

男子柔道の監督、鬼の篠原信一氏の愛弟子で、最も金メダルを期待された100キロ級の穴井隆将選手をはじめとして、ことごとく金メダルに届かず、結局、男子は、60キロ級の平岡拓晃選手と73キロ級の中矢力選手が、それぞれ銀メダルを、66キロ級の海老沼匡選手と90キロ級の西山将士選手が、それぞれ銅メダルを獲得してくれたのみでした。

男子柔道史上初の金メダルなし。

日本人にとっては何という衝撃的な結末でしょうか。
不可解な判定が多かったのも事実ですが、重要課題の残ったオリンピックの柔道競技でした。そもそも、このポイント『JYUDO』の対応に関しては、北京大会以降幾度となく取り上げられた課題だったはずです。それが、今回も解決したようには受け止められず、見ている我々日本人からすれば、本来の相手を投げる等、一本を取る『柔道』と『JYUDO』の違いに歯がゆい思いをしたのではないでしょうか。

 
 前回の北京オリンピック以降、支援体制が見直されたフェンシングや卓球、そして女子サッカーなど、次回の平成28(2016)、ブラジルで行われるリオ大会が楽しみな競技が増えたのは、良かったですね。
 今から平成28(2016)を迎えるのが楽しみです(だいぶ気が早いですけど……)
 

 特に、平成23(2011)のサッカー・ワールドカップ・ドイツ大会で優勝した「なでしこJAPAN」は、惜しくも金メダルを逃してしまいましたが、強豪アメリカに対して互角に渡り合えるレベルに達したのは、彼女達の努力の賜物であるのは言うまでありませんし、金銭面や競技面での支援なども功を奏したからでしょう。今後は、代表引退を表明した澤穂希選手抜きでどこまで結果を出だせるのかに関心が向くとともに、当分の間、これからの女子サッカーは見逃せませんね…。「ヤングなでしこ」の成長も含めて、リオ大会こそ金メダルを取って欲しいと思います。
 

 また、女子卓球が団体で銅メダルを獲得してくれました。福原愛選手、石川佳純選手、平野早矢香選手のうち、特に、石川選手はまだまだ若手ということもあり、これまた平成28(2016)のリオ大会でのメダル受賞が大いに期待されますね。
 

 今回最も感動したのは、サッカー男子のU-23日本代表のグループリーグ初戦のスペイン戦での勝利です。ワールドカップと欧州選手権の連覇を成し遂げたメンバーの一部が、ロンドン・オリンピックのメンバーにも名を連ねており、そのそうそうたる豪華メンバーのいるスペインに勝ったわけですから…。
 既にご案内のように、この試合は、試合地の名をとって『グラスゴーの奇跡』と言われたりもしています。日本は23歳以上の選手を3人まで招集できる、オーバーエイジ枠で招集された北京大会の経験者吉田麻也選手、アテネ大会の経験者徳永悠平選手を中心に、出来すぎるまでのまとまりを見せ、いわゆる『ジャイアント・キリング』を起こしてくれました。世界に大きな衝撃を与えるとともに、私たち日本人全員が誇りに思う出来事でした。

 ただし、全くもって残念な出来事もありました。それは、3位決定戦で日本が敗れ、勝利した韓国の心無い一選手(パク・チョンウ)が、竹島の領有権を主張するプラカードをグラウンド内で掲げ、全世界にアピールした件です。せっかくのスポーツの祭典も台無しになるとともに、オリンピックはあらゆる政治活動の禁止を謳っているだけに残念でなりませんでした。
 韓国におかれましては、是非とも、「グラウンド」ではなくして「コート」(国際司法裁判所)に出てきて主義主張を訴えて欲しいものですね…。