2007年10月16日火曜日

ロシアから反省を込めて

――本橋さん、ロシアに行ってきたんだって?
――行ってきたよ。初日2日目はウラジオストックで、3日目4日目がハバロフスクだったけど、ロシアはとにかく良かったよ~。萩生田部長は行った事ある?今度の自民党青年部の海外研修はロシアにしようよ。

 毎年夏、私達自民党東京都連青年部は海外視察研修を行います。しかし今年の研修はは色々な事情が加わって冬季に延期実施することになりました。実際のところ、この夏には重要な市長選挙が都内にいくつかあったため、選挙活動の最前線に駆り出される私たち青年部員にとってはかえってこの決断は良かったのではないかと思います。そして、青年部長で八王子市選出の萩生田光一都議会議員が、この度の衆議院議員選挙に自民党公認で出馬することになりました。青年部副部長として長年部長を支えてきた私にとっては、海外視察によって忙殺されることなく後援会活動に専念することが出来て良かったなと思っています。

(ちなみに、萩生田光一都議は学生時代に当時の黒須隆一都議の秘書として活躍した後、若干27歳で八王子市議会議員、38歳で都議会議員となり、まさに自民党の若手ホープの中心人物です。思想的にも地域や国の伝統や慣習そして歴史を大切にしつつもこれをしっかりと子孫に伝えていく事が大事であるという立場の政治家です) 

――ロシアの極東を視察してみて何か得ることはあった?
――あったよ。あの時はドキッとしたね。

 今回の視察行程の中で特に楽しみだったのはハバロフスク市の初等学校への訪問でした。ここは日本でいういわゆる『小・中・高一貫教育』をしている公立教育機関であり、世に言う『勉強の出来る、いいところのおぼっちゃま・おじょうちゃま』の通っている学校とのことです。

 ドキッとしたこと。それは確か高校の方の授業風景を見学していた時でしたが、ある教室内で一通り授業の進め方など説明を受けた後、我々に対して何か質問がありますかと担任の先生が生徒達に言ったところ、ある女子生徒がすうっと手を挙げ『日本ではいつの段階から哲学を学びますか?』と聞いてきました。こちらとしてはその質問の趣旨がどういう事であるか痛いほど分りながらも、『大学からが一般ですが、私立高校では選択科目として哲学があります』と応えるのが精一杯だったような気がします。 

 時はいまだに北朝鮮問題が大きく議論されており、日本政府は最近、北が核実験をした場合の対応を発表したところですが、それよりもまして何故日本は主権国家として拉致されてしまった自国民を救出せずに放置したままだったのか。拉致の事実を北が認めたのだから救出しに軍隊を派遣しないのか。軍隊がないのなら、あっても派遣できないなら国家として溶解しているとしか言いようがないのではないか。また、そもそも日本は国家としての哲学があるのですかと。

 他方で時はまさに衆議院議員選挙実施へと確実に向かっておりますが、こと選挙におけます自民党の候補者選びについても考えるべき点があるのではないかなといった感があります。

-----えっ、本橋さん、俺じゃ駄目って事?
------いやいや、萩生田部長はOKだよ。青年部あげて応援するさ。

 つい最近土屋義彦知事の辞職に伴う埼玉県知事選挙が行われ、自民党の候補者は惨敗をしてしまいました。当のご本人は豊島区立時習小学校の卒業生でしたので私も親近感を持って応援した次第であります。ところでこの選挙の候補者の中には、いわゆる『ジェンダー・フリー知事候補者』も存在していたのであり、自民党の一部県議の中にはこの候補者を擁立しようという動きを見せていた事実があります。もっとも、結果的には、この候補者が埼玉県副知事の頃、逮捕された土屋知事の娘の市川桃子と極めて親しい関係があったことが理由となって,この話はつぶれたわけですが、知事選でも閣僚人事でも、スキャンダルの後は女性を起用してダーティ・イメージからの回復を図ると言う手法は如何なものか。今回はたまたまダーティな土屋親娘に近すぎたからこの『ジェンダー・フリー知事候補者』の擁立を自民党は見送りましたが、もし仮にこのような事情がなければ擁立していたと言うことであり、それはつまり選挙に勝てればフェミニスト知事だろうがジェンダー・フリー知事だろうが構ったことではない。勝てば官軍、負ければ賊軍。自民党はかくも哲学のない政党になってしまったのでしょう。大変残念で仕方ありません。

日本政府・自民党に哲学を。
そのために、本橋ひろたかに力を。

2003/9/1(月)